KADOKAWAが運営する文芸マガジンサイト「カドブン」の楽しみ方をお伝えする第4回。今回は、カドブンの「レビュー」から厳選する伊坂幸太郎お薦め作品を紹ご介します。
伊坂幸太郎さんは、2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。以降、『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、短編「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞、『ゴールデンスランバー』で第21回山本周五郎賞と第5回本屋大賞をW受賞するなど、デビューから20年で数々の人気作品を生み出してきました。
そして先日、累計300万部を超える人気作<殺し屋シリーズ>の長篇『マリアビートル』が、ブラッド・ピット、真田広之をはじめとする豪華キャストにより、「ブレット・トレイン」(原題:BULLET TRAIN)として2022年に劇場公開されることが発表されました。
『マリアビートル』
作品詳細ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/321302000007/
試し読みページ:https://kadobun.jp/trial/mariabeetle/
※大ボリューム200ページの試し読みを2022年9月30日(金)12時まで期間限定で公開中
『ブレット・トレイン』(原題:BULLET TRAIN)
オフィシャルサイト:https://www.bullettrain-movie.jp
オフィシャルTwitter:https://twitter.com/BulletTrainJP
オフィシャルInstagram:https://www.instagram.com/BulletTrainJP/
そんな、国内外で高く評価される伊坂さんの数々の作品の中から、カドブンに掲載されたレビューを基に、お薦め作品をご紹介したいと思います。
カドブンに掲載されているレビューとレビュアーの一覧はこちらからご覧ください。
レビュー:https://kadobun.jp/reviews/
レビュアー一覧:https://kadobun.jp/reviewers/
日々つらさを抱える人にこそ読んでほしい<殺し屋シリーズ>の最新刊『AX アックス』

まずは、『マリアビートル』と同じ<殺し屋シリーズ>の一つ、『AX アックス』(KADOKAWA)をご紹介。『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』からなる<殺し屋シリーズ>とは、「蜜柑(みかん)」「檸檬(れもん)」「槿(あさがお)」「天道虫(テントウムシ)」「スズメバチ」などの個性的な殺し屋たちを主人公とした人気シリーズ。その中でも、2017年に単行本、2020年に文庫が発売された『AX アックス』は、2020年の年間文庫ランキングで4冠を達成するなど、圧倒的な支持を得ている作品です。
同作の主人公は、普段は文房具メーカーの営業として働く兜(かぶと)。特定の武器は使わず、驚異的な身体能力で相手を圧倒する殺し屋でありながら、極度に妻を恐れる恐妻家というギャップも。そんな兜がある日、爆発物を仕掛ける計画を立てていた集団の一人を始末するよう依頼を受ける。標的を軽々と始末した兜でしたが、意外な人物から襲撃を受けたことをきっかけに、事態は思わぬ方向へと転がっていきます。
そんな『AX アックス』のレビューを寄せているのは、悩みを抱える人々を優しく包み込むような言葉をTwitterやInstagramに投稿し、女性などを中心に絶大な支持を得るエッセイスト・カフカさん。
カフカさんは、滑稽なほど妻に気を遣う恐妻家であり、一人息子にあきれられている兜を「家庭を持つ一人の男として、どこか温かい共感を抱く」と評した上で、そんな彼が裏では殺しを稼業としているところに面白さがあると指摘します。
そして、カフカさんがさらに注目するのは、彼の「家庭を持つ一人の男」としての一面です。多くの人の命を奪ってきたことを苦悩する兜にとって、家族は、死と隣り合わせの生活の中で唯一自分を支えるもの、そして、『守るべきもの』として存在します。カフカさんは、そんな兜の状況を推し量り、この作品を「たとえつらいと感じることがあっても、守るべき光があれば人は強く生きていけるものだと本書は教えてくれる」と感想を寄せています。
カフカさんは最後に、同じく殺し屋を描いた、自身の好きな映画である『レオン』の中から、少女・マチルダと殺し屋・レオンの有名なやりとりを紹介して、レビューを終えます。
「大人になっても人生はつらいの?」
「つらいさ」
日々、つらさを抱える多くの人に読んでほしいと思わせる一冊です。
レビューページはこちらからご覧ください。
『AX アックス』作品紹介

定価:748円(本体680円+税)
発売日:2020年2月21日
作品詳細ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/321903000419/
あらすじ:最強の殺し屋は――恐妻家。
物騒な奴がまた現れた!
物語の新たな可能性を切り開く、エンタテインメント小説の最高峰!
「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。最強の殺し屋は――恐妻家。殺し屋シリーズ!
【伊坂幸太郎史上最強のエンタメ小説、『グラスホッパー』『マリアビートル』に連なる待望作!】
\鳴りやまぬ驚愕と感涙の声!/
★2020年の年間文庫ランキング4冠達成!
★2018年 本屋大賞 ノミネート作!
★第6回静岡書店大賞(小説部門) 大賞受賞作!
★フタバベストセレクション2017(フタバ図書) 第1位!